ガムの起源と歴史

■1.チューインガムはメキシコ生まれ

マヤ文明の遺跡

チューインガムの歴史は、西暦300年ごろ(日本の大和時代末期のころ)にメキシコ南部のユカタン半島に高度な文明を築いたメキシコのマヤ文明までさかのぼります。 この住民たちは、当時群生していたサポディラという20mほどの巨木の樹液を採集して煮込み、それを固めて噛む習慣をもっていました。これがチューインガムの原料の天然チクルです。

■2.引き継がれていく噛む習慣

チクル採取

繁栄を誇ったマヤ文明は、西暦800年ごろ(奈良の大仏が完成したころ)を頂点として衰退していき、ほとんど姿を消してしまいました。 しかし、チクルを噛む習慣はメキシコ・インディオに引きつがれ、16世紀にスペインがこの地を征服した後は、スペイン系移民の間でもあっという間に広がっていきました。

■3.アメリカから世界のチューインガム

西暦1860年(日本では幕末のころ)、アメリカとメキシコの戦争で活躍したサンタ・アナ将軍が、天然チクルのふくよかな噛み心地と口の中をきれいにする役割に気づき、チクルを飴玉の大きさに切って売り出しました。さらに将軍の協力者であったトーマス・アダムスがこれをアメリカに持ち帰り、甘味料を加えて売り出したところ爆発的な人気を呼びました。 このときに「チューイング・ゴム」(=ゴムをかむ)と名前がつけられました。この「チューイング・ゴム」が、現在のチューインガムの始まりとなり、以後世界中に広がるきっかけとなったのです。

■4.ついにチューインガムが日本に上陸

日本では1916年(大正5年)に初めてチューインガムが輸入され、1928年(昭和3年)ごろから国内でも製造販売をする会社が、いくつか誕生しました。しかし、当時の食習慣に合わなかったようで、日本人には受け入れられませんでした。

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